残業代等未払いへの対応策
2015/10/27
皆さん,自分の労働に見合った給料を支払ってもらっているでしょうか。9時から17時までの契約なのに19時近くまで働かされて残業代も払ってもらえない,昼休みも職場内待機や電話対応を強制されている,土日の出勤を命じられたが給料は平日と同じなどなど,不満を持ったことはないでしょうか。
1日8時間,週40時間を超える労働は残業となり,残業代(割増賃金)が発生します。また,休憩時間は完全に労務から解放されていることが必要なので,職場内待機や電話対応を求められている時間は労働時間となります。その他,深夜労働や土日出勤などは,割増賃金の支払いが必要となる場合があります。
しかし,特に中小企業では,これらの割増賃金が支払われないことが多くあります。割増賃金どころか,残業時間に関しては基本賃金すら支払われないこともあります。この残業代・割増賃金を払ってもらうためにはどうしたら良いでしょうか。
まず,自分が働いていた時間を正確に記録することが必要です。タイムカードがある場合は良いのですが,ない場合(あるいはタイムカードを押した後の残業を要請された場合),かならず始業・終業時間のメモを取るようにしてください。また,休憩時間中の待機や労働を指示された場合は,その内容・時間のメモを取ってください。一緒に働く方が協力してくれるのであれば,その方に証言してもらうという方法もあるでしょう。
その上で,会社に対して残業代・割増賃金等の請求をすることになります。ただ,残業代・割増賃金の計算は難しい問題もあることから,事前に専門家である弁護士に相談することをお勧めします。なお,請求できる期間は2年前までに限られますので,その点からも早めの相談をお勧めします。
残業代等を請求するとその後会社で働きにくくなる,という気持ちを持つ方もいらっしゃるでしょう。しかし,労働の正当な対価を受け取ることは当然の権利です。この権利を行使したことを理由に,会社が解雇や降格等の
,請求者に不利益な取り扱いをすることは禁止されています。勇気を持って声を上げることが,何よりも大事なことと言えるでしょう。
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弁護士 山下 陽
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